CHARACTER
絵画だらけの部屋
絵に描かれた世界へ渡ることができる妖精、ルミル。
それは空想ではなく、かつて確かに存在した場所と時間だ。
ルミルは何度もその世界を飛び回り、
描かれた時代を生きた人々の間で話題を呼んだ。
やがてそれらの記憶は語り継がれ、伝説となり、
いまでは誰も信じなくなった。
ルミルは物心着いた時から絵画だらけの家に住んでいて、
ジェイリーおじさんと暮らしているが、その正体はルミルも知らない。
その家には、世界各地から集められた絵が静かに並び、それぞれが かつての時間と場所を封じている。
ルミルはいま
夜空を閉じ込めた小さな瓶の中で、その家に身を置いている。
そして、ある一枚の絵をきっかけに、
彼は以前のように境界を越えなくなった。
それでも世界の流れが歪むとき、
ルミルは瓶を出て、描かれた世界へ渡る。
もし一枚の絵を見たあと、
その場所で理由のない懐かしさを覚えたなら、
そこには、彼が通り過ぎた痕跡が残っているのかもしれない。