ポストラ
封を閉じるたび、僕のどこかが、きゅっとなる。
早く届けるより、壊さないように届けたい。
不完全な郵便屋が運ぶ、完全な想い。
本来は、想いを持たない感情配送ユニットだった。
ただ正確に、ただ静かに、指定された気持ちを届ける存在。
でもこの子は、封を閉じるたびに、中身を“感じて”しまった。
嬉しい想いは、少しあたたかくて悲しい想いは、胸がきゅっとなった。
「感情はノイズだ」と言われ、速度も、精度も、平均以下になった。
それでも彼は、今日も空を飛ぶ。
なぜなら、想いは、早く届くよりちゃんと届くほうが大切だと知ってしまったから。